電源もATX電源内蔵化して元気に動くようになったTOWNSですが、まぁ元気といってもさすがは386DX 16MHz。とても遅いです。
なので互換CPUに載せ替えを行いました。載せ替えたのはCyrixのCX486DLC-25。
TOWNSは3代目の20Fなのですが、このあたりのTOWNSはCPUがメイン基板に直接はんだ付けされています。なのでまずは現在ついているCPUを剝がすところから始まります。
いろいろ試してみましたが、最終的にうまくいったのは噴流式はんだ槽でした。CPU近傍、はんだ面に実装されている部品ははんだ槽で取れてしまうため、先に外しておきます。20Fではセラミック4個とタンタル4個の面実装コンデンサが該当しましたので外しています。
また、その周辺もブリッジしたりする可能性があるのでCPU周囲はマスキングテープで養生しておきます。
この状態で噴流槽に浸し、数秒でCPUが浮いてくる為ピンセットを使ってCPUを基板から抜き取ります。
交換するCPUを刺すためにはスルーホールのはんだを抜く必要があるのでバキューム式でソルダーで全ピンのはんだを抜いています。
その後、交換するCPUを刺してはんだ付けしなおせばCPU交換は完了なのですが、もっと良いCPUが今後入手できるかもしれませんし何らかの理由で元に戻す必要が出るかもしれませんのでCPUをコネクタ化しています。386DXのパッケージは132ピンPGAです。新品で386DXが売られていたころであればソケットやZIFソケットも入手できたのでしょうが現在はなかなか入手困難です。代用として1列タイプの丸ピンソケットを必要な本数に折って、配置に合わせて実装しました。正確に言うとCPUにICソケットを刺した状態ではんだ付けしています。はんだ付けもさすがに132ピン手はんだするのは面倒なので液体フラックスを基板に塗布し、再度噴流槽ではんだ付けしています。
本来であればこれでめでたし、めでたしだったのですが、最初の時には全く起動しない状態になってしまいました。CPUをもとの386DXに戻しても起動しません。パターンを切った?拡大鏡でしっかりと見直しましたがおかしなところは見当たりません。内層?であればお手上げです。
ダメ元でコネクタを外し、元の386DXを基板直接はんだに戻したところ見事復活しました。であればCX486を直接はんだしたらどうなるか、やってみましたが、こちらも正常に動作します。じゃ、なんで?折った丸ピンソケットの余りをCPUの足に刺したところスカスカです。どうやらソケットの穴径が大きく接触不良を起こしているようです。386DXの足のピン径はデータシートによるとφ0.47です。購入した丸ピンソケットはデータシートで適用ピン径の記載がありませんでした。別の部品で、国内メーカのやはり丸ピン一列ICソケットのデータシートを確認するとφ0.47が範囲内に入っていましたのでこれを購入しなおし、実装しなおしたところ今度は正常に起動してくれています。CPUを交換する際も元のコネクタではCPUを素手で引っ張れば簡単に交換できましたが新コネクタではドライバ頭等を使わないと抜けませんのできちんと接触しているようです。
ということでめでたく386DX-16MHz⇒CX486DLC-16MHzになりました。CPU自体は25MHz品ですが、25MHzでは起動もできませんでした。20MHzでは、TOS,Win3.1,Linuxともに起動は出来ますが、Win3.1起動時の「ジャジャーン」の音が高くなっています。周波数が1.25倍になったため2音程度上がっているのでしょうか。それだけならまぁ気にしなければよいのでしょうが、LANに正常に接続できなくなってしまいました。拡張ボードに出ているクロックは本来8MHzのはずなので、これが10MHzになり、タイミングが合わなくなってしまったものと思われます。拡張ボード側のクロックをメインクロックの1/3に設定できるのであれば6.67MHzとなり動いてくれると思うのですが簡単に変更できるものなのか。クロックも容易に交換できるようにコネクタ化しています。(ピンの構造上、オシレータステムとコネクタで接触してしまう可能性があるため簡易的に紙をコネクタとオシレータの間に挟み絶縁しています)
当面はこれで頑張ってもらおうと思います。次はCPU近くにあるCN5、これを何とかしたいな、と思っています。これ、あまり市場に出ないんだよな。